●スーパーカー消しゴム
 スーパーカーがブームになったのは、70年代の終わり頃です。その時に校内で爆発的に流行したのがスーパーカー消しゴムによるレースごっこでした。

 消しゴム自体はガチャガチャの商品です。普通の(?)消しゴムに混じって、中にはゴム磁石製の変わり種もありました。ゴム磁石はともかくとして、消しゴムと言いつつ実は全く字が消えないのはご存じの通り。ノートを真っ黒にしてしまった体験をお持ちの方も多いでしょう(笑)。こういうのって一体誰が「消しゴム」って言い出したんでしょうか。ガチャガチャの商品名が既にそうでしたっけ?

 そしてレースになくてはならなかったもうひとつのモノが、BOXYのボールペン。その頃の普通ボールペンの芯出し機構というのは「ノックしたらロック、再度ノックするとリリース」というモノだったのですが、このBOXYは「ノックしたらロック、側面に付いたボタンを押してリリース」という機構で、しかも安価だったため、スーパーカー消しゴムを弾き飛ばす道具として使いまくられる運命となりました。

 レース自体は他愛のないもので、スタートとゴールを決めて順番に消しゴムを弾くだけです。私たちの学校では自主的レギュレーションがあって、車の裏にテープを貼ったりセメダインを塗ったりすることは禁止されていました。そのため、かわいそうなBOXYはスプリングを無理矢理引き伸ばされ、すぐに使いモノにならなくなって捨てられてしまったものです。この頃ってボールペンの消費量が全国的に跳ね上がったんじゃなかろうかと密かに思ってます(笑)。

 レース場は机の上だったのが、そのうち部屋中に広がったサーキットになり、エスカレートして「廊下で耐久レース」とか、ゴム磁石製のスーパーカー消しゴムを使って「金属ケース(消火器等)上で立体レース」等というモノを決行しましたが、部屋の外に出てしまうと雰囲気自体が散漫になってイマイチでした。やはり本や下敷きを使って坂道やら障害物やらを設定できる、一部屋分のサーキット位が一番面白くて燃えた様な気がしますが、スーパーカーブームの衰えとともにこの遊びも絶滅していきました。
【おわり】