●ガチャガチャ
 ご存知、お金を入れてガチャガチャハンドルを回すと商品が出てくる自動販売機です。お目当ての商品など滅多に出るものではなく、いつも悔しい思いをしていた人も多いと思いますが、それでもお小遣いをもらうと、ついついその前に立ってしまいました。ケースの中のカプセルは、宝物のように見えたものです。

 実際にどんな商品が入っていたのかと言えば、TV番組のキャラクターなんかは比較的スタンダードで、字の消えない怪獣消しゴムとか字の消えないスーパーカー消しゴム、字の消えない宇宙戦艦ヤマト消しゴム(しつこいってば)、ロボコンのダイキャスト人形等々いろいろとありましたが、今振り返ってみるとガチャガチャの本当の醍醐味はそれ以外のモノ、ほとんど意味不明なおもちゃ達にあるような気がします。魔法の壷、水に入れると固まるヘンな砂、水掻き付手袋、ダイキャストの宝箱や金庫、ミニライター(火なんて当然つかない)etc・・・。冷静に考えれば、「なんだこりゃ」というものばかりですが、当時これらを手に入れるために、一体幾らのお小遣いを投資したことか・・・。

 さて、普通ガチャガチャというのは、20円入れて右に回すとそのまま回しきるしかないのですが、まれに、ハンドルのギアのかみ合わせがバカになっているらしいのがありました。カプセルが出た所でハンドルを逆回転して元の位置に戻すことが出来たので、20円で何個でもカプセルを出せてうれしかったです(だすな)。カプセルの残りが少なくなってる場合には、ガチャガチャ本体をひっくり返して、欲しいものが次に出るようにうまく揺すってやったりもしました。もちろん店の人が見てないときに(笑)。

 商品の出口から中を覗くと、スリットの隙間からカプセルが見えます。次に何が出るかわかる場合もあるので、お金を入れる前には必ずと言っていいほど覗いてましたが、コレを見て、タダで商品を取ろうと手を突っ込んだ子供もいました。結局そのまま腕が抜けなくなってしまい、消防車などが出動する大騒ぎになってしまったことがあります。なにはともあれ、抜けなくなるまで手を突っ込むコンジョーも大したもんです(笑)。まあ、一言で言ってしまえば「バカだねぇ」としか言い様がありませんけど、そうしてでも欲しいと思わせる魅力がガチャガチャにはあったんでしょう。いかに良くできた物だろうと、子供に無茶(バカ?)をさせないおもちゃなんて、所詮その程度の魅力しかないということなのかもしれません。
【おわり】