●懐プラ(1)「ミニ合体シリーズ」
  プラモデルを作り始めたのはもう本当に幼少の頃でしたが、はじめの頃はもちろんお金なんかほとんどないので、たまに50〜100円という価格帯のものを買っては作ってたのを覚えてます。まだ模型屋なんてものの存在も知らなかったので、買うのは専ら近所の雑貨屋(に売ってたんです)とか、紙芝居屋のくじ引きの景品になってたもの。お店を出た途端、目の前の公園でおもむろに作り始めるなんていう「青空モデリング」(笑)もしてましたんで、子供にとってはそれだけ魅力的だったんでしょう。実際この頃のプラモデルはなかなか味のあるものが多く、クラウンのオリジナルロボットものだとか妖怪もの等(「鬼太郎の〜」とかじゃなく、単なる「ろくろっ首」とか「一つ目小僧」とか・・・)、非常におおらかな模型がいっぱいあって、今考えても思わずほのぼのします。

 ちなみにおおらかなのは題材だけじゃなくて、パーツ割もパーツの合いも大変おおらかです(爆)。組みあがったら隙間だらけなんてのはまだいいとして、はまらないパーツを無理にはめようとして壊しちゃったりすると大変悲しかったですが、今みたいに簡単に情報が手に入りませんから、せいぜい小学校低学年位の子供には対処の仕様がありません。特にクラウンのロボットものは合いが悪く、買うたびに何か壊してた覚えがあります(ちょっとは懲りろよ)。

 さて、その当時私が最も傾倒してたのは、イマイの「ロボダッチ」とアオシマの「ミニ合体シリーズ」でした。漫画や映画から始まるんではなく、商品そのものからキャラクター・ストーリーが展開されるという形を初めて実現した商品なんじゃないでしょうか。

 最近は書籍等でこの辺の資料も見かけるようになってきたのでご存知の方もいるかと思いますが、「ロボダッチ」はまあいいとして、この「ミニ合体シリーズ」あたりの無茶さは思わず目を見張るものがあります。基本的にはいくつかのマシンを集めると合体させてロボットにできるというものなんですが、「飛行メカが変形して頭のパーツになる」なんて凝ったものじゃなく、「飛行メカにそのまま首がくっついてる」とか「そのまま足が・・・」とか「そのまま腕が・・・」とかいったシロモノで、当時からして異様でした(異様っていうのは「ヘンで笑える」って意味じゃなくて、異質で魅力的というかカッコイイというか・・・うーん伝わらないのかなこの感じ)。どのくらいそのままかっていうとこのくらいそのままです。


↑こんな
 で、足とか手だけがついてるメカなんてつまらないし(子供ですから)、ひとつ100円もするので偶にしか買えなかったりしたのも手伝って、ついつい頭のついてるものばかり選んでしまっていつまで経ってもロボットを作れないという、なんだか意味不明な子供になってました。

 ちなみにこの100円シリーズで展開されてた「アトランジャー」というロボットは今でも欲しかったりするんですけど、以前yahooオークションに出たときは7万円くらいで落札されてて果てました。みなさん好きですねえ・・・(ってあんたにそんなこと言われたくないってば)。

 ・・・いや、これも手に入れちゃったらしょんぼりするだけだとは思うんですけど(わかってんだったらやめろ)。
【おわり】