●給食
 子供はなんでも遊びのネタにしてしまいますが、給食の時間が終わった後に必ずどこかで始まる遊びが、牛乳の紙キャップによるメンコ遊びでした。じゃんけんで勝った順に、重ねた紙キャップをツメでひっくり返します。ひっくり返ったキャップ全てに指が届けばそのキャップは自分の物になりますが届かなければ次の人と交代。一枚もひっくり返らなかったらやっぱり次の人と交代。

 コレで遊ぶには、とにかく手持ちのキャップがないと始まりません。というわけで牛乳嫌いの子供も無理矢理牛乳を飲んでいました。健康のために飲まされるのはまっぴらゴメンだけど、遊びのためなら辞さないっていうことでしょう(笑)。

 ダーツ遊びもポピュラーでした。牛乳ビンの口を覆ってるビニールで画鋲をくるんで矢を作り、当番表なんかが貼ってある壁にエイッと投げつけます。これがなかなかよくささります。黒板にもささります(備品は大切にしましょう)。天井にもささります(取れなくなるからやめましょう)。

 この遊びはしばらくは流行しますが、そのうち先生から禁止令が出てしまうことが多かったです。刃物を扱う危険とかいった物とはまた訳が違いますから当然だけど、私たちの小学校でも同様でした。禁止された方は「人に向かって投げたわけじゃないのに」(あたりまえだ)という台詞を口にすることもできず、しばらくは水面下(先生の見てない所)でこっそりやっていたのですが、そのうち飽きてうやむやのうちになんとなく消えていくというのを繰り返してました。

 さて、これを遊びと言っていいのかどうかはわかりませんが、やはり牛乳の一気飲みはどうしても欠かせない様な気がします(笑)。速い子供は2秒足らずで飲み干してしまうんだからたいした物です。で、周りで笑わせようとする子とか笑って牛乳を吹きだしてしまう子とかも必ずいて、牛乳を拭いた後の雑巾のニオイというのは、どの時代のどの地域の小学生にも共通した記憶なのではないでしょうか(笑)。

 それにしても、嫌われることの多い給食の牛乳一本で、ずいぶん色々遊んできた様な気がします。牛乳からすれば「嫌われた上に遊ばれちゃかなわねえや」て所でしょうか。
【おわり】