●爆竹
 男子なら一度は爆竹で遊んだ事があるでしょう。当時ウチの近所の駄菓子屋では、一箱100円で売っていました。ただ、それでは子供のおこづかいで買えないので1束10円でバラ売りもしてて、私たちは当然バラ売りの方を買ってたわけですが、更にそれを一本一本にほぐしてチビチビと遊んだものです。束のまま遊ぶのが本来の使い方だというのは随分後になってから知りました。でも一本ずつにした方が長く遊べるし、何よりその「筒から導火線一本」という典型的なダイナマイトの様な格好が魅力でした。

 友達何人かで集まって爆竹を買い、いつもの遊び場で爆発させて遊ぶんですが、これがどうも段々とエスカレートしてきます。最初はおとなしく(?)、爆発寸前に田んぼに投げ込んで水柱立てたり、空缶に放り込んで「コンッ」などという涼しげな音を立てて遊んでますけど、そのうちウチから持ってきたプラモデルに仕掛けてぶっ壊したり、友達の靴にねじ込んだりし始めます。まあそれくらいの事なら笑って済む事なんですが(おい)、さらに悪乗りしてしまうと・・・。

 側をいざって行くゴミムシに投げつけてみたり、釣り上げたザリガニに持たせてみたりと、なかなかとんでもない事をしていたものです。ただ、オタマジャクシの上で破裂させてみたときは、我ながら何ともイヤーな感じになってしまい、二度とやりませんでした(自分でやって自分で引いちゃいました)。

 この頃出ていた子供の遊びについての本をみると、「蟻の触覚をちょん切ると方向を見失ってグルグルまわり出すので面白い」とか、「蛙の肛門にストローさして息を吹き込んで膨らませ、足で踏んづけると破裂して面(以下略)・・・」とかいう、今考えるとコワい遊び(あくまで遊びなんですね)がヘーキで紹介されていたりします。周りの友達を見ていても、昆虫採集の例をとってみてもそうなんですが、結局こんな残酷な事からしか、私たちは「生」とか「死」とかについての倫理的な側面を学べないのかもしれないとか勝手に思ってます。

 えー、さて、ところで皆さんはどうやって爆竹に火を着けましたか?やっぱり手持ちでマッチですよね(笑)。ライターなんて親からは貸してもらえませんでしたし。駄菓子屋には線香も売ってましたが、そんなもの使うとヘナチョコと思われてしまいそうな雰囲気がありました。というワケでなにがなんでも手持ちなんですが、たまに異常に火の回りの早いヤツがあったりして、手を離れたとたんに破裂してしまい、耳がキーンとなった、或いはもっと痛い目をみた経験を殆どの人は持っている事でしょう。でもそこらへん、やっぱり子供にも意地というか見栄があるわけです。「あいつが手で持ってるのにオレが持たないでいられようか?いやいられない!」(爆)。で、痛い目見るという。やはり「遊び」は「学び」なんですね(ははは・・・)。

 てなワケでやっぱ、「なにがなんでも手持ち」なんであります(笑)。
【おわり】